暁の啓明 宵の長庚

五月雪

恭祝宏慈妙法元君何仙姑誕!

台湾の仙跡岩風景区に八仙をモチーフにした八仙景点というのがあって、そのうちの一つに何仙姑桐花林というのがあるそうです。 油桐は五月雪とも呼ばれ、その名の通り毎年4月5月には油桐の花が地面に落ち、まるで雪原のように真っ白に埋め尽くすのだとか。
かれこれ5年以上このネタを温めていたんですが、ようやく形にすることができました。

油桐については上記の通りですが、せっかくなので他にも何仙姑にまつわる要素を入れてみました。
何仙姑の出身は増城や零陵が特に有名ですが、増城の何仙姑の家があった場所といわれる何仙姑家廟にまつわるものから色々拝借しています。藤、仙桃、茘枝と緑の帯、お茶は何仙姑井の伝説から。鳳凰山にも有名な何仙姑の廟があるらしく、お茶で有名な方とは名前が一緒なだけで別の山だとは思いますが、鳳凰単叢の八仙あたりをイメージ。
これ描くちょっと前に八仙の連環画を手に入れまして、その表紙の何仙姑が美人さんでデザインが素敵だったので、かんざしや腕輪あたりにその影響を受けていたり。瓊は赤い玉を指すらしいですしね。……何仙姑の名が瓊って話結構見るけどどこが出典なんでしょう?

描いた後ちょっと調べてみたんですが、仙跡岩には呂洞賓の足跡と伝えられるものが残っているそうで、八仙景点はそれにちなんで作られたものらしいですね。で、その足跡の由来についてよくよく見たら、洞賓が蟾蜍精(ヒキガエルの精)を降伏したとか、蟾蜍山から指南宮に行く途中立ち寄ったとかいう伝説に混じって、天界で何仙姑を追い求めてたら仙姑に凡間に落とされたとかいうのもあって……
さすが洞賓先生、俺達の期待を裏切らない。

2015.04.25(乙未年三月初七)