暁の啓明 宵の長庚

八仙絵ログ5

呂祖誕2015まつり
2015.05.31

洞賓「今日は農暦4月14日。信者のお前たちには何の日かわかるよな? そう、俺の誕生日だ! というわけで俺のクレイジーな弟子達をちょっとだけ紹介するぜ!」

まずは劉海蟾。
丞相までつとめたけど鍾離権・呂洞賓の導きで世を捨て仙人となったおっさん……かと思いきや童子の姿で描かれることもある謎の仙人。財神ショタから五祖のひとりまでなんか色々してる。どうやったらこんなおっさんと童子っていう二面性が生まれるのかおしえてください。
見た目を変えるというのは神仙にとっては別に珍しいことではありませんが、どっちの姿も有名(?)というのは珍しい(気がする)。いくらなんでもおいしすぎるのでTPOと気分に合わせてどっちの姿も取れるみたいな設定にしたい。
中国で前髪のこと劉海っていうのは彼の童子ver. の髪型からということでもれなくぱっつんに。これだけは前から決めてたので実現できてまんぞくです。

洞賓弟子妓女三人衆(勝手に命名)。
洞賓の弟子を調べていると妓女も少なくないんですよ……いや妓女の職業神もやってらっしゃいますから全然不自然なことはないんですが。妓楼に顔を出すことも多いみたいですが、実際にどうこうしてるのは白牡丹くらいなもんで、真面目に妓女を度しているんですよ。白牡丹との逸話だって元は呂洞賓とは別の人物のものだったらしいですし、こっちがイレギュラーなんだな(まあ現在では普通に色仙って認識ですけどね)。張珍奴の時なんて買っても何もしないっていう感じですからね……

妓女の弟子は彼女達以外にもいるみたいですがとりあえず3人を。張珍奴と曹三香は中でも有名な方だと思います。『純陽帝君神化妙通紀』に詳しい。
【張珍奴】
妓女でありながら質素を好む性格、毎日沐浴して服も変えており、香を焚いてはいつかこの苦しい世から抜け出したいと天に願っていた。ある日、一人の士人が彼女の元を訪れる。しかし酒を飲み歓楽を尽くしては枕を交わすこともなく飄然と去っていくだけ。たまりかねた彼女がそのことを尋ねると――
『夷堅丁志』にも同様の逸話が載っている。他の書物にもちょこちょこ名前が出てきていたりする。彼女の作った詩も残っている。
【曹三香】
安豊県の妓女。医師が匙を投げるほど重い病気に侵されていた。ある日書生が尋ねてきた。身なりがみすぼらしかったため下人が追い返そうとしたが、彼女は招き入れ丁重にもてなす。あるとき病の発作が起きると、書生はこの病が治せるといって――
【楊柳金】
豪華な生活やってるビッチな名妓だったところに昌虛中という道士が来て悟す的なアレ(すごく適当)

せっかく妓女なので髪型をちょっと凝ってみた(当社比)。張珍奴→シンプル、清楚め/曹三香→線が細め、おっとり/楊柳金→豪奢で高飛車っぽく みたいなイメージで。

洞賓「いやいや何で弟子なんだよ……俺の誕生日なんだから俺の絵出せよ。え? あるの? それなら早く出せっての……」

洞賓「って、なんだこれ」

雑技祖師・呂純陽です(キリッ

「洞賓のために真面目な絵なんて描いてやんないんだからねっ! 恭祝呂祖誕なんて絶対言ってやんないんだからっ!!」(by 何仙姑)

……というわけでいくらなんでも洞賓がかわいそうなので最後にかっこいいバージョンを。
何も考えずに飛剣ノリノリで描いたけどよく考えたら双剣じゃないわ。片方ボッシュートされてるんだったわ。まあいいや、仙人になったばかりの若かりし頃の洞賓ということで(すごく適当)

……とまあ全然描くつもりはなかったのですが気づいたら落描き量産してたよっていう。おそるべし洞賓パワー……
描いててすごく楽しかったです。ありがとうございました。そして洞賓おめでとう。

2015.05.31(乙未年四月十四)